| 2005年12月14日(水) 〜やりたい仕事につく〜 社内キャリアが大事 西山 昭彦 |
| 日、米、独の比較調査(日本労働研究機構調べ)によると、役職者のうち転職経験者の比率は、日本が18.2%に対して、米国81.8%、ドイツ65.8%と大きな差がある。しかし、転職経験者の現在の会社への入社時期は、平均34歳前後でほとんど差がない。米、独でも、若年層は自分にあう職や会社探しをするが、その後は移った企業で仕事を続けることが主流になる。 したがって、転職の議論がさかんだが、社内でのキャリア形成が重みを持っていることは今も変わらない。 自分のキャリア形成のポイントは「どこで何をするか」で、人事異動が重要な機会提供になる。この方式は企業によって異なる。ソニーの上司を通さない公募制は、休日に希望先の上司と本人が面接するもので、直属の上司より本人の希望を優先する点で有名である。 異動のタイプは、1つは銀行などの本人の希望や直属の上司の意向を優先せず、人事部が主体となってローテーションを実施していくものである。その背景には、対象者が広範に職務をこなせるスキルをもっている、もたせたいという前提があり、慣れや不正防止という目的もある。 もう一つは、メーカーなどの本人の希望や直属の上司の意向を優先し、部門が力を持って、人事部はその調整をする方式である。これは、職場ごとの特定のスキルや適性を重視することが背景にある。 今後を見とおすと、社員本人の異動希望を吸収する動きがふえると見られる。 その理由は、第一に、若年層は「自分志向」がベースにあるので、異動希望を強く持つ。 第二に従来のライン志向が減り、企業内外で通用するプロフェッショナルをめざすスペシャリスト志向がふえる。ライン志向は、組織スリム化でポストが減る、社外での市場価値が低いことが嫌われ、選択する者は減る。スペシャリストにとっては、どの仕事につくかが、何よりも重要である。 第三に、好きな仕事をすることが一番能力発揮する道であることが再認識され、企業側も、社員の希望、適性をより重視する。「好きこそ物の上手なれ」で、最適の職場に移れば、自己実現と成長がある。スキルが社内外での高い評価を得れば、処遇も向上する。 よって、本人にとっても企業にとっても、この流れは喜ばしいことであり、時代にあっていると言える。また、これが主流になれば離職率を押さえる働きの一端が担えるだろう。 |