2006年 2月 22日(水)
           
          営業マンのための最強手帳術@               
           〜手帳を見れば営業マンの力量がわかる〜
     
                                           西山 昭彦

スケジュール管理なくして営業成績のアップなし

 使っている手帳を見れば、その営業マンが仕事ができるかどうかは如実にわかる。より正確にいえば、仕事ができる人とは、仕事の整理がよく効率が高い人だ。そして、整理はスケジュール管理(手帳)とメモ管理(ノート)を見ればわかる。

 スケジュール管理ができていなくて、成果があがっている人はいない。手帳選びとその利用法がいかに大事かわかるだろう。もちろん、営業の種類によってベストの手帳は変わる。サイズ、中身の形式が、自分の営業特性にマッチしているかどうかがポイントだ。同じ営業分野の達人のものを見せてもらうと一番いいだろう。

 似た形式が多いが、私が現在使っている手帳は「能率手帳WIC7」というもので、ビニール製で八八〇円である。手帳の左側は一週間のスケジュールになっていて、右側は空欄でメモを書くことができる。週間スケジュールは時間単位でアポと今日すべき仕事のリスト、右の空欄は今週やるリストとあらゆるメモに使っている。

2006年 3月 02日(木)
           
          営業マンのための最強手帳術 A         
           〜スケジュール欄を使い効率的な時間管理〜
     
                                           西山 昭彦

<日別と週別、略語使用など裏技発揮


 スケジュールについては、手帳の左側の週間スケジュール記入欄の月曜日から日曜日の日別に管理し、ここに書ききれないものについては、右の余白にはみ出して書く。スケジュール欄に書くのは、その日にやることである。一週間のどこかでやることについては、右の欄に書く。この区別が仕事の成果を左右する。

 左はその日が締め切りか、少なくとも自分で決めた第一回の締め切りである。右の欄にいけば、期限は最終締め切りでなく、できれば終えたいか、目鼻はつけたいとなり、その週完了の保証はなくなる。

 文字は、手帳の小さなスペースを有効活用する意味で、読める程度の小さい字でぎっしり書く。内容は、連絡する件名は、その日電話する相手、メールする相手、ファックスする相手それぞれT、M、Fの略号で氏名を書く。接客など時間が決まっているものは、その時間と相手、用件を書く。その日のうちにやることは、時間を入れずに書く。右に書いても足りないときは、ポストイットに書いて貼る。

 その日にやることが多数ある場合は、通勤途中でポストイットにその日にやることのリストを別途作成する方法もある。

 手帳にない翌年度の予定については、最後のページにまとめて「翌年分」として日時、時間、内容を記入し、新手帳に換えたら転記する。
2006年 3月 08日(水)
           
          営業マンのための最強手帳術B         
              〜今日やることはすべてリストアップ〜

西山 昭彦


<終了後のチェックで達成感とやる気がみなぎる>

 今日やることは、左側のスケジュール欄の今日の日にすべて書き込む習慣をつけよう。ただし、一〇以上も案件があってそこに書き切れなかったり、あえて別記したい場合は、ポストイットに書き出し、手帳か机の上に貼る。

 スケジュール欄なり、今日やるリストメモは一日に何十回も見直す。ひとつずつ仕事を終えながら、項目にチェックを入れて、仕事を進める。後述するが、この効用は大きい。

 特定の時期までにやらなければいけないタスクは、必ずそのタスクのあとに( )をつけ、締め切り日を入れる。通常、締め切り日より前倒しで左のスケジュール欄に書いておく。その日やれなかった場合には、別の日に書き直す。そうやっている中で、九割以上は、締め切りより前倒しで終わる。

 ビジネスマンは隙間の時間をいかに有効に使うかがポイントだ。出かける前や会議前の隙間時間一〇分、一五分に完結するような仕事を持っていて、それを行う習慣をつくる。あるいは、一時間かかる仕事を分割して行うケースもある。

 今日やるリストが終わったら、先の日の予定からちょうどいい仕事を探す。仮に、一カ月後に資料を頼まれている場合、時間的に今フィットするなら、それを前倒してやる。こんなふうに進めていけば、予定日前に仕事を終了させることができる。

 今日やるリストのタスクが終わっても、消しゴムで消さないようにしよう。消してしまうと跡が残らないので、後日参照できない。消すのは手間もかかる。また、人間の心理として、終わったものにチェックを入れることによって、タスク終了の達成感を味わえる。本能的に、私たちは何かを埋めていくことを達成する快感を味わいたい動物である。その原理をうまく使って、自分のモチベーションアップにつなげていくわけである。達成をこまめにチェックすることで、さらなるやる気も湧いてくる。
2006年 3月 16日(木)
           
          営業マンのための最強手帳術C         
              〜アポイントや会議は中身をメモする〜

西山 昭彦


<事前準備が肝心>

 手帳への書き込みメモでは略字をたくさん使うことがポイントだ。

 たとえば、矢印の右向き、左向き(因果関係)、上向き(よくなる、増えるなど)、下向き(悪くなる、減るなど)。あるいは○(うまくいった)、×(ダメ)、△(中間的)。とにかく簡略化し、書く手間を省き、省スペースにする。アポが決まっている場合は、左欄に時間、会社、担当者を書き入れ、右のスペース欄に住所、電話番号を入れる。

 定例会議のようなものを左欄に書く場合は、それが第何回なのか、テーマは何かを右に書く。会議によっては、課題は何か、報告は自分なのか他者なのかを明記しておく。これによって、事前に、その会議に対する準備ができる。 
 
 私たちの仕事は、何か案件があって、「それを事前に準備して、次に臨む」という形で進んでいく。その準備のやり方によって、できる人間とそうでない人間の差がつくことになる。案件の内容を事前に把握し、準備しておくことがきわめて重要なのだ。

2006年 3月 22日(水)
           
          営業マンのための最強手帳術D         
          〜成約に結びつくアポイントを適宜チェックする〜

西山 昭彦


<回数ではない、成約のみに意味がある>

 「全部アポ病」という病気をご存じだろうか。いろいろな訪問先がありスケジュールがいっぱい埋まって毎日が多忙であると、働いているという実感を持ってしまう病気である。しかし、残念ながら、多忙イコール成果とはならない。

  私が以前、社内ベンチャーで新会社を設立したときに、新聞、雑誌に多数紹介された。すると、実に多様な人から売り込みが来た。合計100社はきただろうか。それぞれいろいろな話し合いをして、提案が出る。魅力的なケースも多々あった。当然、共同して何かやろうという話も出るが、先方が一回訪問して、一生懸命資料を渡して説明しても、それが二回目の訪問に結びつくのは一割未満だった。まして、実際の成果まで行くのは、ごくごく一部だ。

 私自身が営業活動を行ったときは、ちょうどその逆を目指した。一回の訪問でこれはいけると思ったら、徹底してそこを集中フォローして、成約まで持っていくようにした。

 法人を訪問するということは事前の調査がいる。『会社四季報』やホームページはもちろんチェックするだろうし、さまざまなツテを使ってその会社の情報を収集しようとするに違いない。訪問するには、事前準備の上に頭や身体をフルに使い、大変なエネルギーを使うわけだ。

 それなのに、次々に新規を回る営業マンがいる。その行為を指して、「自分は多忙で、仕事をバリバリやっている」と思ったら、とんでもない間違いだ。それは、身体を使ったことの満足感であり、成果の満足感ではない。すでに時間、エネルギーを投資した可能性のある部分をまず攻めないと営業の効率はあがらない。

 こうした意味で、「全部アポ病」は仕事の効率をかえって悪くする。アポが過剰になるよりも、営業の成果をあげるという目的にちゃんとかなっているかどうかをチェックしなければならない。

2006年 3月 31日(金)
           
          営業マンのための最強手帳術E         
         〜通勤電車内で手帳をチェック。朝の初速を高める

西山 昭彦


<段取り上手は朝一で事務作業を終わらせる>

 営業マンの場合、大事なことは仕事の初速の確保である。席についてダラダラしていてはダメで、朝のスピードが肝心だ。だから、通勤電車の中でたとえ立っていても、手帳を取りだして今日やることや手順をもう一度確認する。そして、デスクに着いたら、他の社員から来る急ぎの案件への応対を済ませた後、取るものもとりあえず初速のスピードを上げる。

 具体的には、その日やる事務、庶務作業、メールの閲覧と返事も一時間以内に終わらせてしまうことである。すごく書類がたまっている際は、座らないで立ったまま処理する。そのほうが書類を他へ移しやすい。

 ある大企業の役員は、朝七時半に来て、部下が八時半に来るまでに、決裁やデスクワークを完全に終わらせて、「さあ、なんでも来い」と万全の体制で仕事に臨んでいる。

 一日の中での集中ばかりでなく、週ごとのチェックも重要だ。ある週の日程が非常に込み入っていれば、その週は仕事に集中して処理する。そこを突破することによって自分の集中力が格段に向上する。なかなかそうできない人は、仕事が終わったあとに楽しくブレイクする予定を入れておく。自分へのご褒美を設定することで、集中して仕事ができるわけだ。


2006年 4月 6日(木)
           
          営業マンのための最強手帳術FG         
            〜今日一日を反省して徐々に未了事項を減らす〜
            〜右側の空白欄には何をどう書き込むか〜

西山 昭彦


7.今日一日を反省して徐々に未了事項を減らす

<仕事のスピードと精度をあげる訓練を>

一日の終わりには、今日の予定をすべてチェックし、どれがうまくいったのか、いかなかったかを反省し、未了のものは別の日に記入し直すことだ。

 二〇代、三〇代は、「会社のオフィスを出たとき、出口で一分でもいいから、今日自分は何を得たか、何ができなかったかを反省する」ことをすすめる。それと同じことが、この手帳のスケジュールの一日の終わりにできる。

 今日一日を反省して、未了分を別の日に書き直す。その繰り返しの中で、少しずつ未了を減らし、仕事のスピードと内容の精度を上げていく。

8.右側の空白欄には何をどう書き込むか

<「今週やりたいこと」とちょっとした思いつきをメモ>

 右側に書き入れるものは、大きくふたつに分けられる。まずひとつは、「今週やりたいこと」だ。今週やりたいことで、どこか特定の日にしなければならないことであれば、左欄の日に書かれているはずだ。また締め切りが先であっても、どこかでする予定ならば、その日の欄に書くことになる。右側は、それ以外の案件になる。つまり、右側に書いたことは、すべて繰り延べが可能だということである。だから右側に書いたことは、

・できれば今週やっておきたい
・何かの手がかりはつくりたい
・とりあえずいつかやりたい の三種類になる。

 戦略的、長期的なテーマや年単位の課題というのは、今は左側に書けないけれども、右側に書いておかないと忘れてしまうので、必ず書き込む。それが最終締め切りになったら、左側のスケジュール欄に移ってくる。右欄も週末に一週間すべてを見直して、できていないものについては翌週以降のどこかのページの右か左へ転記する。

 右側に書き込むことのふたつ目は、ふと思いついて重要だと思ったことや何かの注意事項である。具体的には、資料や本を読んでいて大切だと思ったこと、電話や郵便から得たヒントになりそうなこと、誰かから依頼された案件、あるいは依頼する案件などだ。これらのことを週間で見直し、処理していく。

2006年 4月 14日(金)           

営業マンのための最強手帳術HI
〜手帳による自己管理がスキルを形成する〜
〜メモの絶対原則はシャープペンシル使用〜

西山 昭彦


9.手帳による自己管理がスキルを形成する

<目標をブレイクダウンできる人が仕事上手>

 私たちは目標を立て、その達成のために日々仕事をしているわけだが、その目標が左側(日の欄)と右側(週の欄)にきちんと入っているかどうかが大事なポイントとなる。

 そこまでブレイクダウンした目標になっているか。それらが日々、あるいは週間で自己管理できているかどうか。仕事をマネジメントしていくツールとして、手帳を使うということである。

 自己管理していく中で、計画、実施、反省、修正のサイクルが回り、自己鍛練、自己向上につながる。日々の体験や思考が自動的に仕事のスケジュールの中で分析され、進化していく。それが仕事のフローのストック化であり、スキルの形成につながる。

10.メモの絶対原則はシャープペンシル使用  

<書き換えが必要な場合に対応>

 使うものはシャープペンシルに限る。そのメリットは書き換えられる(=消せる)ことにある。私が現在携帯している筆記具はシャープペンシルとボールペン一本ずつである。100円のゼブラ・ノックペンシル0・5というシャープペンシルと、同じく100円のボールペンだ。自分のメモの原則はすべてシャープペンシルだ。

 営業マンの場合、誰かにペンを貸すケースも多いだろう。このとき、顧客によってはペンをまじまじと見る人もいる。相手の信頼度がそこから垣間見れるからだ。ブランドものだが、傷んでいたり、汚れていたら台無しである。だからこそ、筆記具で変なこだわりや中途半端はマイナスとなる。それなら、100円のボールペンで、資質を見られない(見る気も起きない)で済むもののほうが無難だ。