| 2006年 8月 4日(金)
副業でスキルを磨く 西山 昭彦 |
| <副業集団の試み> 数年前に筆者の属していた異業種交流会のアーバンクラブでサラリーマンの副業集団を作ろうと企画集団を立ち上げて、副業希望者を公募した。そうしたら、日本IBMやソニーの社員など大企業者を中心に、一〇〇名くらい来て、中小企業からお仕事をもらい、実際に土日と時間外を中心にやった。 だが、その試みは失敗した。理由は『昼間来てくれ』という希望が多かったから。このミスマッチが最大の理由だ。だが、参加した一〇〇人の方々は、得るところがあったと感想を述べている。中小企業の経営者からお金をもらう大変さ、真剣さがよく分かったという。大企業ワールドとは全く違うので、必死になる。相手の要求に答えようとしてあらゆるものを調べ、綿密な準備をしていかなきゃ駄目だ。 つまり、自分を点検するいいチャンスになったという。副業をすると、自分のスキルが試され、自分が成長できる。 <就業規則では> サラリーマンの副業についての調査を見ると、日本の企業の七割が副業について就業規則上で禁止または届け出となっていた。 その根拠には終身型雇用がある。余計なことはしなくても、会社に身を預ければ、一生安泰。かっては、六〇歳くらいで死んでしまうので、五五歳の定年後は五年しか生きない。だから、当時は会社外は考えなくても良かった。 が、現在では明らかに矛盾が生じている。定年後も時間が20年以上ある。在職中も会社の本音は、中高年にはなるべく早く辞めて欲しいわけである。 だとしたら、社員は手に職を持って辞められるようになっていたほうがいいはずだ。そのためには、その職が外で通用するかどうかを試さなくてはいけない。 就業規則は書き直すべきだ。機密保持は絶対条件だが、時間外や休日まで会社が社員を縛ることはできないと思う。 <独立の準備> あるゼネコンに勤めていた建築士の人の話で、彼が独立を考えた時、『非常に不安に感じたので、土日にアルバイトをした』という。設計会社で週末にアルバイトをして、これだったら一人で食べていけると確証を得て、独立したそうだ。彼は今五〇代で、一〇人くらい人を使って、自分の設計事務所を経営している。 その方は、『あの時の副業がなければ、きっと怖くて独立できなかっただろう』と言う。市場の評価を見なくてはいけないからだ。 会社の中の人事評価は居ればもらえるが、市場の場合はこちらから積極的に出て行かないともらえない。 会社はお金を払い時間を費やして、社員を研修に行かせますが、それより副業を大幅に認めれば、お金を掛けずに、社員の力量をベルアップすることができる。 ある流通の大手では、時間外の社員の副業は一切規制しないといっている。米国で、ダブルジョブ、マルチジョブが増えてきているのも、賃上げがない時代の処方箋といえる。 |