2007年 4月 20日(金)           

目標とする先輩はこう見分ける@

西山 昭彦

 仕事をする上でもっとも身近なお手本が、数年先に入社した先輩である。中小企業では上司となっている場合も多いので、ここでは年齢ではなく、役職を持たないヒラ社員同士で見たときの先輩について述べよう。 

 目標とする先輩の見分け方には五つある。まず一つ目は、実績を上げている人。プロセスと結果という関係で見れば、プロセスはどれだけ手を抜いていても結果が出ればいいわけだから、結果を出している人の仕事のやり方は絶対にマネすべきだ。プロセスが重要だと勘違いしている人が多いが、実社会においては、最小限の努力で最大限の成果を得るのがベストなのだ。つまり、要領よくやるということである。「要領がいい」というと、悪いイメージで捉えられがちだが、結果を出している人は必ずその人なりの合理的な方法論を持っているものである。

 成績を上げているかどうかの見極めは、営業であれば「数字」、企画の仕事をしているのであれば「変革」である。今までのやり方ではなく、新しいやり方に変えるなどして効率的にしたり、新しい価値を産んだりしているかどうかということである。つまり、ビジネスシーンにおいて、能率化と創造性という二大テーマにおいて、変革を達成し、成し遂げた人が「デキる人」ということだ。

 前例を踏襲して結果を出すのは誰にでもできるが、新しいやり方で結果を出すにはそれなりのエネルギーが必要になってくる。従来のやり方でやっている人は、その方法を長くやっていればやっているほど、慣れたやり方で続けたいわけだから、抵抗してくる。そこを覆していくのは大変なのだが、それでも成功している人は間違いなくデキる人だ。
2007年 5月 11日(金)           

目標とする先輩はこう見分けるA

西山 昭彦

 二つ目は、自分の主張をきちんと持っていて、相手が偉い上司でも、重要なお客さんでも同じように自分の言葉で意見を述べることができる人だ。言うべき場所で言わないで、飲み屋で言っている人が多すぎる。また、他人の受け売りだったり、批判はするが建設的な意見を言わない人も多い。最もひどいのは、自分の意見は言うのだが、他の人の意見にすぐに迎合してしまう、日和見主義の人だ。「やっぱりそうですよね」とコロッと意見を変える人は手本ではなく、反面教師とすべきだ。

三つ目は、上より下を見る人。出世するという意味では上を見たほうがいいのだが、上司ばかり見ている人は目標にはならない。上司とケンカをしても後輩の支持が厚い先輩のほうががいい。人間的温かみがあって、功利主義でない人がよい。

 四つ目は、将来ビジョンを明確に持っている人。理想を持っていない人は話していてもつまらない。「先のことはわからない、会社の上のものに任せておけばいいんだ」などと言う先輩は目標にならない。こうした、悪い意味でのサラリーマン体質の染み付いた人は、その他大勢の位置付けにしかならない。

 奇想天外なビジョンを語る人は多い。たとえば、「新しく会社を興し、株式公開して一〇〇億円で売る」とか、「脱サラしてラーメン屋になる」といったようなことだ。そんな奇想天外なビジョンでも、何もないよりはいい。妄想でもいいから、将来の夢を持つというのは大事なのだ。

 そして五つ目は、「楽観的な先輩」である。これは私がヒアリングする多くのビジネスパーソンが異口同音に口にする。たとえば、新規事業を立ち上げるというときは、先のことは誰もわからない。だから「なんとかなるよ」と楽観的に考える人のほうが先輩として接していて楽だというのだ。

今の世の中はストレス社会だ。いかにストレスを軽減しながら仕事をするかということが、仕事をうまくやるコツなのだが、先輩に「なんとかなるよ」と言ってもらえれば気が楽になるというものだ。

 以上、五つのポイントに加えて、「人を惹きつけるパワー」「人を圧倒するパワー」を持っているとなお申し分ない。

明治大学の斎藤孝教授は「上機嫌力」という言葉を使っているが、確かに上機嫌な人ほど人から好かれるという要素がある。誰にでも機嫌よく接する人には、自然と惹きつけられる。これは誰にも経験のあることだろう。

また、圧倒されるようなパワーを持っているとなおよい。俗に言う「バイタリティに溢れている人」だ。人を引っ張っていくにしても、説得するにしても、「あの人が言うならしょうがない」と思わせてしまう雰囲気を持っている人は、周りにひとりや二人はいるだろう。こうした人をぜひ先輩に持っておきたい。