2007年 6月 1日(金)           

  同期のネットワークはこう活用する@

西山 昭彦

 アメリカのある会社に同期三人が入社した。彼らは入社しときに密約を結ぶ。「本人がいないところでお互いに褒めあう」ことにしたのだ。たとえば、AとB、その他の人がいるときにCを褒める。また、Cとその他の人がいるときにAとBのことを褒めるといった具合だ。二〇年後、三人ともその会社の役員になったという。

 本人がいる前で褒めると白々しいが、いないところで第三者が褒めると周りの人はみな信じる。各人が別の場面でそれぞれを褒めるので、その評判はそのうち確固たるものになって行き、定着するというわけだ。

 このように、同期会の存在は非常に重要だ。

大会社の場合、同期入社の同僚は最大のライバルである。同期の中から一歩抜きん出なければならないわけだが、同期という縁で研修を一緒に行うことが多いこともあり、よい友人関係にもなれる。ライバルでもあり友だち。その二重性を持っているのが同期だ。

 対ほかの学年ということを考えると、同期の中で団結したほうが絶対に得である。キャリア官僚の世界では「同期から大物次官を出せ」というのが自らも得する方法だという。同期が次官になれれば、自分たちも特殊法人などいいところへ天下りできるからだ。だから彼らは同期の団結力を非常に大事にする。

これを一言で言うと、「内に戦い、外に団結」ということになる。同期の中では互いに切磋琢磨しあい、上の学年や下の学年には団結して対抗していくのである。

ともかく本音がしゃべれる最大のグループなのだから利用しない手はない。仕事上での喜びやくやしさなどを共有できる人間関係を持つことが、精神衛生上も効果的だ。

「共有」できることが仕事をする上でけっこう重要なのだ。たとえば、サラリーマンだったある人が独立して会社を経営しはじめた。だが、成果をとってきて仕事場に帰ってきても全然面白くないという。社員の多い会社ならば、誰かが成果を持って社に帰ってきたら、「よかったね」と言ってみんなで喜び、逆にとれなかったら上司が悔しがるというような、一種の文化祭的な盛り上がりが仕事のたのしみになる。「共有」することで人は喜びが倍増し、苦悩は半減するものである。
2007年 6月 8日(金)           

  同期のネットワークはこう活用するA

西山 昭彦

 同期会は意識してつくらなければ、会社は何もやってくれない。だから最初の研修なり、同期の集まりがあったとき、なんとなくリーダーシップをとっている人を見つけ、もしくは自分が積極的にリーダーとなって、同期会を組織するように動かなければならない。

 このとき、能力のある人を幹事にすることが大切だ。持ち回りの幹事が最も悪いパターン。能力のない人に幹事をやらせるとたちまち活動が滞ることになり、自然消滅というのはよくあることだ。そのため、幹事をやるのが好きな人がずっと続けるのがよい。

 出世するかしないかで一喜一憂しているような人は幹事には向かない。同期会を存続させるコツは「出世の差は関係ない集まりなんだ」という雰囲気をいかに作り出すかだ。同期会の中では自分が出世しても、同期が出世してもお互いに妬んだり、卑屈になったりしないことだ。そうした感情が入り込むと、関係に距離ができてしまい、疎遠になりがちになる。

定年退職しようが、何をしようが一生続く会だという位置づけが必要だ。それを前面に出すのである。なぜなら、出世している人は同期会に出てくるが、出世できない人はそのうち同期会に姿を見せなくなるからだ。そこが同期会の難しいところだ。

私も同期会の幹事をしているが、年に二回ぐらいの飲み会を開いている。年に一回でも続けることが大事。私の上や下の世代を見てもなかなか続いている同期会は少ないようだ。入社三年でほぼ同期会が崩壊、あとは個人的なつながりが残るだけというのが関の山だ。

同期が何百人といるような大企業ではなく、五〜六人という場合でも同期会をつくっておくべきだ。少人数の場合、よけいに同期ネットワークは重要だ。入社した当初は寄って立つ基盤がないのだから、同期内だけでも知っている顔をつくっておかなければならないからだ。

同期のネットワークはうまく使えば非常に強力なツールになるのである。